■ 抄録・要旨
| 揮発性メチルシロキサン(VMS)は、整髪料や化粧品等の多様なパーソナルケア製品に使用される高生産量化学物質である。しかし一部のVMSについては、環境残留性や生物蓄積性が指摘されており、これらVMSの環境への排出実態把握が必要とされている。本研究では、環状及び鎖状VMS(3〜6量体)を対象に下水処理水を分析し、生活系排水に起因するVMSの水環境への排出実態を調査した。流域下水処理施設(4箇所)及び農業集落排水処理施設(7箇所)における放流水中VMS総濃度の平均は、それぞれ740ng/L、及び720ng/Lと両者で同レベルであった。しかしながら、農業集落排水については98〜2,600ng/Lと広い濃度範囲が確認され、その原因として、施設による処理能力や水処理方式の違いが示唆された。
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